詩篇10-12; 使徒19:1-20

詩篇

第10篇

10:1主よ、なにゆえ遠く離れて
立たれるのですか。
なにゆえ悩みの時に身を隠されるのですか。
10:2悪しき者は高ぶって貧しい者を激しく責めます。
どうぞ彼らがその企てたはかりごとに
みずから捕えられますように。
10:3悪しき者は自分の心の願いを誇り、
むさぼる者は主をのろい、かつ捨てる。
10:4悪しき者は誇り顔をして、神を求めない。
その思いに、すべて「神はない」という。
10:5彼の道は常に栄え、
あなたのさばきは彼を離れて高く、
彼はそのすべてのあだを口先で吹く。
10:6彼は心の内に言う、「わたしは動かされることはなく、
世々わざわいにあうことがない」と。
10:7その口はのろいと、欺きと、しえたげとに満ち、
その舌の下には害毒と不正とがある。
10:8彼は村里の隠れ場におり、
忍びやかな所で罪のない者を殺す。
その目は寄るべなき者をうかがい、
10:9隠れ場にひそむししのように、ひそかに待ち伏せする。
彼は貧しい者を捕えようと待ち伏せし、
貧しい者を網にひきいれて捕える。
10:10寄るべなき者は彼の力によって
打ちくじかれ、衰え、倒れる。
10:11彼は心のうちに言う、「神は忘れた、
神はその顔を隠した、
神は絶えて見ることはなかろう」と。
10:12主よ、立ちあがってください。
神よ、み手をあげてください。
苦しむ者を忘れないでください。
10:13なにゆえ、悪しき者は神を侮り、心のうちに
「あなたはとがめることをしない」と言うのですか。
10:14あなたはみそなわし、悩みと苦しみとを見て、
それをみ手に取られます。
寄るべなき者はあなたに身をゆだねるのです。
あなたはいつもみなしごを助けられました。
10:15悪しき者と悪を行う者の腕を折り、
その悪を一つも残さないまでに探り出してください。
10:16主はとこしえに王でいらせられる。
もろもろの国民は滅びて
主の国から跡を断つでしょう。
10:17主よ、あなたは柔和な者の願いを聞き、
その心を強くし、耳を傾けて、
10:18みなしごと、しえたげられる者とのために
さばきを行われます。
地に属する人は再び人を脅かすことはないでしょう。

第11篇

11:1わたしは主に寄り頼む。
なにゆえ、あなたがたはわたしにむかって言うのか、
「鳥のように山にのがれよ。
11:2見よ、悪しき者は、暗やみで、
心の直き者を射ようと弓を張り、
弦に矢をつがえている。
11:3基が取りこわされるならば、
正しい者は何をなし得ようか」と。
11:4主はその聖なる宮にいまし、主のみくらは天にあり、
その目は人の子らをみそなわし、
そのまぶたは人の子らを調べられる。
11:5主は正しき者をも、悪しき者をも調べ、
そのみ心は乱暴を好む者を憎まれる。
11:6主は悪しき者の上に炭火と硫黄とを降らせられる。
燃える風は彼らがその杯にうくべきものである。
11:7主は正しくいまして、
正しい事を愛されるからである。
直き者は主のみ顔を仰ぎ見るであろう。

第12篇

12:1主よ、お助けください。神を敬う人は絶え、
忠信な者は人の子らのなかから消えうせました。
12:2人はみなその隣り人に偽りを語り、
へつらいのくちびると、ふたごころとをもって語る。
12:3主はすべてのへつらいのくちびると、
大きな事を語る舌とを断たれるように。
12:4彼らは言う、「わたしたちは舌をもって勝を得よう、
わたしたちのくちびるはわたしたちのものだ、
だれがわたしたちの主人であるか」と。
12:5主は言われる、「貧しい者がかすめられ、
乏しい者が嘆くゆえに、わたしはいま立ちあがって、
彼らをその慕い求める安全な所に置こう」と。
12:6主のことばは清き言葉である。
地に設けた炉で練り、七たびきよめた銀のようである。
12:7主よ、われらを保ち、
とこしえにこの人々から免れさせてください。
12:8卑しい事が人の子のなかにあがめられている時、
悪しき者はいたる所でほしいままに歩いています。


使徒

第19章

19:1アポロがコリントにいた時、パウロは奥地をとおってエペソにきた。そして、ある弟子たちに出会って、19:2彼らに「あなたがたは、信仰にはいった時に、聖霊を受けたのか」と尋ねたところ、「いいえ、聖霊なるものがあることさえ、聞いたことがありません」と答えた。19:3「では、だれの名によってバプテスマを受けたのか」と彼がきくと、彼らは「ヨハネの名によるバプテスマを受けました」と答えた。19:4そこで、パウロが言った、「ヨハネは悔改めのバプテスマを授けたが、それによって、自分のあとに来るかた、すなわち、イエスを信じるように、人々に勧めたのである」。19:5人々はこれを聞いて、主イエスの名によるバプテスマを受けた。19:6そして、パウロが彼らの上に手をおくと、聖霊が彼らにくだり、それから彼らは異言を語ったり、預言をしたりし出した。19:7その人たちはみんなで十二人ほどであった。
19:8それから、パウロは会堂にはいって、三か月のあいだ、大胆に神の国について論じ、また勧めをした。19:9ところが、ある人たちは心をかたくなにして、信じようとせず、会衆の前でこの道をあしざまに言ったので、彼は弟子たちを引き連れて、その人たちから離れ、ツラノの講堂で毎日論じた。19:10それが二年間も続いたので、アジヤに住んでいる者は、ユダヤ人もギリシヤ人も皆、主の言を聞いた。
19:11神は、パウロの手によって、異常な力あるわざを次々になされた。19:12たとえば、人々が、彼の身につけている手ぬぐいや前掛けを取って病人にあてると、その病気が除かれ、悪霊が出て行くのであった。19:13そこで、ユダヤ人のまじない師で、遍歴している者たちが、悪霊につかれている者にむかって、主イエスの名をとなえ、「パウロの宣べ伝えているイエスによって命じる。出て行け」と、ためしに言ってみた。19:14ユダヤの祭司長スケワという者の七人のむすこたちも、そんなことをしていた。19:15すると悪霊がこれに対して言った、「イエスなら自分は知っている。パウロもわかっている。だが、おまえたちは、いったい何者だ」。19:16そして、悪霊につかれている人が、彼らに飛びかかり、みんなを押えつけて負かしたので、彼らは傷を負ったまま裸になって、その家を逃げ出した。19:17このことがエペソに住むすべてのユダヤ人やギリシヤ人に知れわたって、みんな恐怖に襲われ、そして、主イエスの名があがめられた。19:18また信者になった者が大ぜいきて、自分の行為を打ちあけて告白した。19:19それから、魔術を行っていた多くの者が、魔術の本を持ち出してきては、みんなの前で焼き捨てた。その値段を総計したところ、銀五万にも上ることがわかった。19:20このようにして、主の言はますます盛んにひろまり、また力を増し加えていった。


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